2008年05月06日

対日世論調査

nipponTV

面白い調査結果が出た。
このところ日本外務省が、ASEAN各国の対日世論調査の結果を公表しているが、フィリピンの調査結果も出た。
どの国も、日本よりも中国を意識した回答が多く、日本の信頼感や存在感は薄らぎつつあるようだ。
フィリピンの面白さは、日本に関する情報ソースが親類・友人、知人らの話であること。
マスメディアやネットからの情報は、6ヵ国の平均値を下回っている。
この結果には、長年フィリピンと関っている方なら、大いに納得するのではないだろうか。
教育問題や習慣に拠る所が大きいとは思うが、彼ら多くのフィリピン人は、とにかく何に関してもクチコミが優先する。
血族・友人・知人の順で、情報に対する信頼度も決まっている。
テレビやラジオは、ドラマやエンタメ系がもっぱらで、報道関係についてはあまり興味を示さない。
これは貧困層に限ったことではなく、フィリピンでは少ない中産階層でも同様だ。
政治・経済の分野に限れば、ごく一部の富裕層や財閥系の人々はそれなりの情報を掴んでいるが、インサイダー要素が濃く一般的な情報とは異なることが多い。
そういう意味では、新聞・雑誌など出版物のパーセンテージが42%もあることに、逆に違和感を持つぐらいだ。

フィリピンに滞在する際、スタッフや友人達と共にテレビを見る機会が少なくない。
バラエティやドラマもたまに見るが、それよりも圧倒的にニュースを観ることが多い。
GMAやABS-CBNなどの報道はタガログ語なので、翻訳してもらおうとするのだが、これが酷く曖昧だ。
さすがに日本語での翻訳は期待していないので、せめて英語でとも思うのだが、それなりの学位やキャリアの持ち主であっても、正確に意訳してくれることは滅多にない。
CNNやBBCに至っては、こちらが簡単な英語に直して伝えることも多々ある。
そんなこともあって、彼らのリスニング能力は、あまり当てにできない。
また、メッセやチャット、SNSでのメッセージ交換などで、フィリピンの話題になることも多いのだが、こちらがかなりの情報を持っていることを不思議がる。
ネットで検索すれば、そんな情報はいくらでも手に入るのだが、彼らは会話から情報を得ることの方を好む。
情報元のURLを送っても、気のない返事しか返ってこないことが多いのだ。

先日のサンプロで、中国の放送局での対談があった。
両国ともそれなりの顔ぶれで、かなり突っ込んだ会談だったが、田原の手前味噌はともかく、今後の日中関係はやはり混沌としている。
ASEANでの日本の位置やリーダーシップも疑わしい。
今日の午後の胡錦濤来日以後、アメリカのポチ、中国のタマへの方向付けが決定的になるような気がしなくもない。
最大のODA支援国であるフィリピンですら、金蔓程度の認識度しか持たれていない。
かつては憧れの国であったはずの日本だが、今は警戒心の方が強まりつつある。
そろそろ日本も見栄の外交は考え直すべき時期に来ている。

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対日世論調査
比人は「口コミ」や日本人との交際を通じて日本に関する知識を得る傾向が強い

[ 2008年5月5日のマニラ新聞 ]

日本の外務省が二〇〇八年二月から三月にかけ、フィリピンなど東南アジア諸国連合(ASEAN)六カ国で実施した対日世論調査の結果によると、比人は親類や友人を介した「口コミ」や日本人との交際を通じて日本に関する知識を得る傾向が強く、一九九〇年代に本格化した比芸能人の日本就労や比日結婚の増加を通じた「草の根交流」が日本関連の情報流布に貢献していることをうかがわせた。
日本に関する知識の情報源では、「親類・友人、知人らの話」が三一%を占め、調査対象六カ国の平均値一七%を大きく上回った。
「日本人との交際」(一六%)、「日本に滞在した経験」(一一%)も、それぞれの平均値九%、五%を超え、身近な体験を通して日本関連の情報を得ている傾向が強かった。
逆に、「テレビ・ラジオ」(六〇%)、「新聞、雑誌などの出版物」(四二%)、「インターネット」(二三%)、「映画」(六%)などマスメディアは、いずれも六カ国の平均値を下回った。
これら情報源から得た日本のイメージは、「経済的に進んでいる国」と「科学技術が発達した国」がともに七八%で最高。
以下は、「生活水準の高い国」(六八%)、「アニメなど新しい文化を発信する国」(六六%)、「興味ある文化を有する国」(六〇%)、「平和な国」(六〇%)、「かっこいい」(五八%)、「自然の美しい国」(五四%)、「経済的に自分勝手な国」(三七%)、「不可解な国」(三二%)などと続いた。
六カ国平均を超えたのは「かっこいい」(平均値比一六ポイント増)、「不可解な国」(同八ポイント増)、「好戦的な国」(同六ポイント増)など。逆に、「自然の美しい国」(同一五ポイント減)、「科学技術が発達した国」(同八ポイント減)、「生活水準の高い国」(同七ポイント減)などは平均を下回った。
また、日本人像で平均値を上回ったイメージは、「攻撃的」(四六%、平均値比一七ポイント増)、「計算高い」(五六%、同一四ポイント増)、「かっこいい」(四九%、同一二ポイント増)、「勤勉」(八六%、同五ポイント増)、「信義に欠ける」(一四%、同四ポイント増)などで、警戒心とあこがれが交錯する結果が出た。
平均値以下は、「礼儀正しい」(五五%、同七ポイント減)、「団結心が強い」(五五%、同七ポイント減)など。
今後、日本について最も知りたい分野に関する質問では、「進出企業」が六一%と最高で、平均値の三五%を大きく上回った。
しかし、日本企業の比進出を「歓迎する」は四八%と調査対象六カ国で最低。
「歓迎しない」も六カ国最高の七%に上り、日系企業への関心と警戒心が混在する結果となった。
また、太平洋戦争中の日本に関しては、「悪い面で忘れることはできない」が二七%、「まったく問題にしたことがない」が一四%。
ともに六カ国の中で最高で、比侵略に対する国民感情の複雑さをうかがわせた。
「悪い面はあったが、今となっては気にしていない」は五九%で、六カ国中最低だった。
対日世論調査は一九七八年からほぼ五年ごとに実施されている。
調査対象国は比、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナムの六カ国で、今回は各国三百人(十八歳以上)が調査対象となった。
比に関する他の設問、回答は以下の通り(カッコ内は六カ国平均値)。

【比日関係の現状】友好的四一%(五〇%)、どちらかというと友好的五三%(四六%)、どちらかというと非友好的五%(三%)、まったく非友好的一%(〇・二%)。

【日本に対する信頼】信頼できる五二%(四四%)、どちらかというと信頼できる四一%(四九%)、どちらかというと信頼できない四%(四%)、信頼できない三%(一%)。

【ASEANにとって現在、重要なパートナー】米国四五%(二三%)、日本三三%(二八%)、中国九%(三〇%)、欧州連合四%(三%)、韓国三%(二%)。

【ASEANにとって今後、重要なパートナー】日本三三%(二三%)、米国二六%(一三%)、中国一五%(三三%)、欧州連合七%(五%)、ニュージーランド六%(一%)、韓国五%(五%)、オーストラリア三%(三%)。

【ASEAN地域で日本の貢献を望む領域、二つまで回答可】経済・技術協力五五%(六六%)、平和維持三九%(三〇%)、貿易・民間投資の振興二八%(四〇%)、環境保護三一%(二七%)、テロ対策二一%(一三%)、文化交流一七%(一八%)。

【アジア発展における日本の役割】果たしている五八%(四三%)、どちらかというと果たしている三六%(四四%)、あまり果たしていない五%(九%)、果たしていない一%(一%)。

【日・ASEAN経済連携協定の認知度】知っている三二%(四一%)、知らない六八%(六〇%)。

【日・ASEAN経済連携協定の期待分野】ASEAN各国の経済構造改革推進三七%(二七%)、日本の技術支援三六%(一九%)、相互投資貿易の拡大一七%(二七%)、経済面にとどまらない日・ASEANの連携強化一一%(二二%)。

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